出版に携わるなら読んでおきたい8冊の本(本作り編)

本棚を整理していたら、出版本がたくさん出てきたので、一部をご紹介。また、発掘次第、このエントリに追加していく。本作り編ということで、DTP、デザイン、校正を中心に。別途、流通編というエントリも作ります。

おすすめの本があったら、教えてくださいな。

編集デザインの教科書 改訂版 (日経デザイン別冊)

編集デザインの教科書 改訂版 (日経デザイン別冊)

とっても基本編。入門に一冊読んでおきたい。既に編集業務に携わっている人には薄すぎるが、これから出版に携わる人が、全体像を知るのには、適度な内容量。

本づくりの常識・非常識

本づくりの常識・非常識

組版原理主義の本。校正者の立場から本作りを見るとこうなる。
からしてすごい。
「私は書籍の製作、とくに文字組版の将来に大きな危機感を抱いています。最近のでたらめなDTP組版は、いいかげんなソフトを作ってきたプログラマーの責任です。外国の編集ソフトに日本語用をチョコチョコと付け加えれば済むと簡単に考えたのでしょう。」


ここまで言い切りますか。
日本語組版の成り立ちと、それをいかに出版物の中で表現するか、ということが綿密に書かれている。当然組版の知識が薄かった私には衝撃的な本だった。もちろん、自分が携わる出版物の成り立ちや、背景によって、組版をどう考えるかには、制約があると思う。(校正者と印刷所とデザイナーの間を取り持つのも編集者の仕事である)。しかし、活版印刷から脈々と受け継がれてきた日本語の組版ルールを、DTPソフトが便利だからという理由だけで、壊してはいけない。

最強!わたしが持っているのは2006年版。3,200円というのはちょっと高すぎる気もしますが。一読はしておきたいですね。
ハードウェアや、印刷機の仕組みまで書いてあります。無線LANの仕組みまで。
データのとりまとめやら、ネットワーク入稿、日々蓄積される情報の整理をするためには、編集者にもITの知識が不可欠だと思うのだがいかがかしら?もちろん、日々新聞紙を切り抜くだとか、そういうコツコツも必要なのだと思うのだけれども、2000年以降に社会に出てしまったわたしに、それは面倒くさすぎるのだ。日経テレコンがあればいいじゃないの。(こういうことを言うから、お年を召した方にはあまり好かれないのかも・笑)
DBの知識無しに、データ集めてリスト化しようとするなんて、竹やりで零戦に戦いを挑むような気がしている。

玄光社のこのシリーズは、DTPの基本を知るのにはとてもわかりやすい。わたしの場合は、入社した会社のDTP環境がいかんともしがたくて、なぜこんなひどい仕組みになっているのか(他社と互換性が無い仕組みになってしまっているのか)、というのを読み解くために、このシリーズが役に立った。

文字の組方ルールブック―タテ組編

文字の組方ルールブック―タテ組編

日本エディタースクールが発行する、文字の組み方ルール本。一冊は持っておきたい。見ておきたい。

記者ハンドブック -新聞用字用語集 第10版-

記者ハンドブック -新聞用字用語集 第10版-

うちの会社の校正基準はこれです。

本と雑誌のデザインがわかる本

本と雑誌のデザインがわかる本

どういう考え方で本をデザインしているか。ただし、AD目線ゆえに、編集者とは違う立ち位置の本である旨は忘れてはいけない。

実務入門 印刷発注の基本がわかる本

実務入門 印刷発注の基本がわかる本

かなり使える本。編集者向けではありませんが、印刷所とどう交渉するべきか、印刷の工程の具体例を踏まえてあり、印刷所の営業担当者の方とお話しするときに、会話が比較的スムーズに運ぶようになった。