働きガール

昨日は静岡出張。浜名湖のほとりまで一人新幹線で行く。出発前、時間があったから、東京駅構内の書店(ブックガーデン改めブックエキスプレス)で「だめんずうぉーかー」の文庫版を購入。会計を済ませるためレジにいったところ、レジの人の後ろに、見つけてしまった「働きマン」の最新刊を。
「あ、やべ、買わねば」と「だめんず」の会計を済ませた後、すぐまた漫画コーナーに戻り、「働きマン」を購入するため再びレジに戻る私。もはや不可抗力である。

働きマン(4) (モーニング KC)

働きマン(4) (モーニング KC)

ご存知、安野モヨコの漫画「働きマン」は、出版社の週刊誌編集部に勤める29歳女子、松方弘子の仕事とラブの物語。大変取材を丁寧にやっているようで、出版社週刊誌編集部の内実にも鋭く切り込みつつ、その年代の女子の揺れる恋心なりなんなりも、非常に丁寧に、リアリティある筆致で書いているのが、さすがラブマスター安野さんの仕事である。
多分、働いている女子の多くが感じているせつなさなり、理不尽さなりを、しっかりと現実感をもって書き込んでいるところが安野嬢のすごさだ。仕事とラブの間で揺れ、自分のこれからの生き様と、会社員生活との間で揺れ、そんなところを、拾い上げて物語化できるのは、安野さんがちゃんとその年らしい現実を生きていた結果のように感じる。
そんなに漫画は詳しくない私だが「働きマン」「臨死!江古田ちゃん」「デトロイト・メタル・シティー」だけは、今のところ私が欠かさず定点観測している漫画だ(桜玉吉の漫玉シリーズは途中で終わったみたいだし)。それぞれが、今の日本の文化を、よくも悪くも、鮮明に反映しているのね。
さておき、取材も無事に終わり、静岡から東京へ向かう帰りの新幹線で、また繰り返し「働きマン」を読もうと思った私の隣に座った女子が読んでいたのが、上野千鶴子の「おひとりさまの老後」だった。

おひとりさまの老後

おひとりさまの老後

ひっつめ髪でメガネのあなたよ。新幹線でカバーもかけずにそんな本を読んでしまうのか。いいのか!?と、窓際の指定席で、ビール飲みながら、ついつい相手の様子を伺ってしまう私。
いまだ働く女子にとって、世間は厳しいけれど、偶然なりにも隣の席に座った女子が、恥ずかしそうに上野千鶴子の著作を読んでいるという状況は、そんなに悪いものではないな、と思わされた次第。

今日お酒を飲んだ編集屋のNちゃんも、発売日に「働きマン」を買っていた。読めば皆、身に覚えがあることばかり。酒が進んだ。笑った。