やっぱり私はマゾなのか?[100キロ歩こうよ大会サポート参加記]

今年も「北海道100キロ歩こうよ大会」に参加してきた。
去年も参加したこのイベントは、北海道の弟子屈町屈斜路湖摩周湖の周りをぐるりと75キロ(高低差があるため、厳密な100キロではありません)を夜通し歩くというもの。去年の感想はこのページを参照のこと。今年は昨年の倍?の140人が全国から参加した。

昨年は取材の一環と言いながら参加したのだが、編集部を異動したこともあって、今回は仕事ではなく、プライベートでの参加にした。しかも、歩く当時者としてではなく、サポート役の参加だ。昨年参加して、完歩させていただいたこともあり、そのお礼の意味を込めて、裏方役をやってみようと思ったのだ。航空券代、宿代などのお金を払って、人を支えに行くというのだから、もう自分の中の「なんで?」という疑問は飛び越えてしまっているわけだ。こうなると、「やってみたい」という思いに素直なだけ。だから「なんでそんなことするの?」という質問は意味がありませんのであしからず。

サポート参加者の役割は、100キロを歩く途中、徒歩参加者のサポートを行うというものだ。具体的には、途中数箇所に設置されたチェックポイントにおける食べ物の準備から、マッサージ、仮説トイレの始末まで、何でもやる。盛り上げる、声援をかける、笑顔で場を盛り上げる、も大切なお仕事。私は今回主催者から特別に「取材」という役割を与えられたため、コース中を移動して、写真を取りまくった。その間にも、人の足を揉んだり、伴走?したり。24日の朝6時ごろから25日の朝8時までの実施だったのだが、一睡もすることなく、あわただしくあっという間に終わってしまった。

実際にサポートをしてみると、これがこれで難しい。まず、待ち時間が長い。参加者が来たら来たで、その場を盛り上げ、励ましたりするのだけれど、それ以外の時間、待っているのが大変。霧の摩周湖のほとりの気温は、この季節でも夜中5度くらいまで下がってしまう。待っていると体が芯から冷える。待っているよりも、歩いているほうが、断然楽そうに感じる。一方、前のチェックポイントを出た参加者の方が、まとまってやってくると、今度は汗だくになってマッサージなどをすることになる。このギャップがつらい。
慣れないマッサージやテーピングにもチャレンジしてみた。マッサージして、感謝されると、これが本当に嬉しい。マッサージしてあげた相手が、ゴールすると、なおさら嬉しい。何人マッサージしたかわからないぐらい人の体を揉んだのだけれど、撮影しながら片手間にそれをやっていた私が、こんなに印象深く感じるのだから、それ専業でやっていた人は、どれだけ大きな物を得られたのだろうか。

こういう体験ができると、去年の自分の完歩は、他の人のおかげであったのだ、ということを思い返せたりだとか、他人があって、自分がいるのだな、ということを感じたりだとか、できるからありがたい。

何よりすごいな、と思ったのは、このイベントを主催したKさんの度胸だ。140人もの人を、地元に集めて「これ、本当に面白いから。君もやってみなよ」と言えるのだもの。100キロ近い距離を、歩かせてしまうのだもの。その勇気に脱帽だ。ゴール地点で、何時間も参加者がたどりつくのを待っているメンバーを盛り上げようと、松山千春の歌を絶唱するKさんの姿といったら!(寝てなくてハイになりすぎたため、というご指摘もありましょうが…)

今回は、知り合いも誘って参加した。相手がこのイベントを満喫してもらえるか、始終気になってしかたがなかった、が、おかげさまで昨年のような寂しい思いもせずに済んだし、無責任にイベントを流そうという姿勢にはならなかったな。

(でも、同行してくれたTさんは、足の裏のマメが破れて、大変痛かったようで、羽田空港で車椅子を貸し出していただくことになった。95キロの巨漢を運ぶ、グランドアテンダントの方の大変さといったら…、失笑を禁じえない。誘いに乗ってくれたTさん、Sさん、そして途中で知り合って、彼らと歩いてくれたKさんには、本当に感謝している。同室だったYさんの、優しい心配りにも、本当に助けられた。皆さん無しに私の今年の100キロはありえなかっただろう)

この大会には、2回参加したので、一旦区切りをつけようと思うのだけれども、三河で行われる、同様のイベントには参加してみてもいいかも、と考えてしまっているあたり、やっぱり私はマゾなのか。それより今年はホノルルマラソンかなぁ。うーん。悩ましい。