専門誌のゆくえ

keiko-ka2007-03-18

リニューアルしたDTPの専門誌、「DTP WORLD」が素敵。今まではDTPツールの使い方を伝える実用書のように感じられていたのだけれども、もっと高いところをターゲットとしたつくりに変化を遂げたように感じた。
リニューアル前は第一特集「CDジャケットから学べ!」とか「決め手は『組版力』」とか「まるごとIllustrator」とか、今すぐ役に立つようなキーワードが目に付く本だった。そのため、私は本当に興味があるテーマ(「地図・グラフの作り方」とか)のときしか手にとらなかったのだけれど、今月の特集は「印刷ソムリエ 〜デザインは仕事のパートナーで決まる!」というもので、印刷所とデザイナーさんの関係を、第一線のクリエイターの仕事と絡めて紹介しているもの。とっても軽やかな印象だけれど、とても勉強になる本だった。
私は編集の仕事をしているので、別にDTO WORLDを読む必要はあまり無い。それでも本書に記されているような印刷とデザインの世界の第一線で活躍している人たちの姿勢だとか、考え方だとか、パートナーシップの持ち方というものの情報を仕入れることで、また背筋が伸びるような感じがするわけだ。
技術の情報なんて巷に溢れてしまっているこの状況で、さて成熟産業の専門誌は何を指し示すべきなのか。リニューアルしたDTP WORLDが本職のDTP屋さんや印刷屋さん、デザイナーさんに支持される内容なのかどうかは、私の位置からはわからない。だが、かっちょいい変化の仕方だとはたから見ていて感じるし、自分自身の仕事もそうありたいなと思うわけ。