採用者側に立ってみる。

学生時代にお世話になったジャーナリストB氏は、マスコミに就職したい学生たちのための勉強会を行っている。B氏には、学生時代非常にお世話になったこともあり、昨日はボランティア同然で、模擬面接の面接官役をやることになった。
心がけたことは2つ。1つ、B氏の思惑を察するに、この場所で学生に提供したい価値は「圧迫面接」なので「圧迫面接」ちっくな雰囲気をかもし出す(ひぇえ〜)。2つ、「採用は難しい!」ということをたくさんの経営者の方から伺っていたので、採用者側の目線で学生を見てみる。
「取材」という仕事をしているため「相手の良いところや得意分野を引き出す」聞き方が身にしみてしまっている私なのだけれども、「面接」になると、これって「尋問」と同じで、相手をある程度評価しなければならないわけだ。だから、突然変な話をふってゆさぶってみたり、突っ込みを入れてみたり、と結構普段のコミュニケーションに必要ない特殊な技を要求されるため、これがなかなか難しいのである。
で、自らが面接官モドキをしてみてわかったこと…「学生さんなんて、たかだか15分程度の面接じゃ評価しきれないよー!」。だってみんな魅力的に見えるんですもの。いくら面接したって、入社してからの成長度合いなんて予測不可能だし、別に頭いいから仕事できるわけじゃないし、面接ウケする学生が仕事できるだなんて訳でもないし。まして、経営者は面接のプロじゃないんだから、突然「こんな学生連れてきました〜」って言われても、わかんないでしょ、ぶっちゃけたところ。
だから思いました、新卒の就職活動において、重要となることは、いかに面接相手に「こいつを採用した俺は間違っていない!間違っていないに違いない!っていうか、俺絶対正しいし、この学生間違いなく優秀だから!」という根拠の無い自信を抱かせられるかどうかってことだって。それに気が付くか、気が付かないかが、大きな違いを生むのではないかと。
で、その「俺は間違っていない」ということの1つの指標になるのが「この学生○○社っぽいよね」って雰囲気なのかもしれません。こればかりは、後付でどうにもなるものではないから仕方ないけれど。あと、1次面接、2次面接、3次面接で、相手の立場(年齢・役職)が全く違うということも頭の片隅に入れておくといいと思う。(私はそういうことは全然考えないで新卒採用に臨んだからなぁ…)。
そんなわけで、自分が新卒を採用するならば、間違いなくインターンを行うな、と思いました。たかだか総計1時間にも満たない面接で判断なんて、無理っす!
それにしても、相変わらず出版業界は人気が高いのですね。学生の皆さんはOB訪問をしてみるといいと思いますよ。そして、歯に絹きせずに語ってくれる先輩から、出版業界の今後について、話を聞いてみるといいのでは。で、現実を知った上で、夢を追ってみたほうがいいと思います。
ちなみに、私を新卒で採用した人たち(編集長レベル・役員)は、私が在職中に、皆どこか違う会社にいってしまいました。私の新卒時の同期も、皆今は古巣を出て、違う会社で活躍しています。それでも元いた会社は動いているし、世の中は平和です。