「私たちジャーナリストじゃなくて編集者だから」

最近いろいろな版元の編集者の方とお会いする機会が多い。運がいいことに、私の身近な編集者は優秀な方が多い。話しているだけで得られるものも多いので、本人たちにはないしょで、ちょっと脚色しつつセリフをメモらせていただいた。

  • 「ださい服装の人に(本の)デザインのこととか言われたく無い」「うちの奥さんは洋服に年間100万円は投資しているから。鹿さんも投資しなきゃだめだよ」

某ビジネス書出版社の先輩の言葉。「清貧」という私の中のここ数ヶ月のテーマを根本から打ち砕くような一言だった。そういえば最近ファッション誌とか読んでなかったしなぁ。誰の言葉よりも、彼のこの言葉に、おしゃれをしようと思わされたよ。でも100万円ってさ…。

  • 「編集者にとって邪魔なのは文章を書くという行為」

編集渡り鳥Uちゃんの言葉。「文章を書く」という行為と「編集」って行為は、似ているようで似ていないんだな。「ジャーナリスト」を名乗るなら、「ネタ取ってこい!文章書け!」、「編集者」を名乗るなら、自分で書く前に「企画出せ!新人探して来い!編集しろ!」って思う。さらに、書店に届くまで、読者の手に本が届くまでをしっかりと見届ける。本を通して、そこまでのプロデュースをするのが編集者の役割であると、最近はわりきりがつくようになった。

  • 「私には文章に対するコンプレックスは無い」

引き続き編集渡り鳥Uちゃんの言葉。Uちゃんはマンガの世界出身の人で、あまり文章に対するこだわりはないという話。私は反対に、文章の中のキラリと光るセンスとかを重視してしまう。それが「ライターさん並みに上手な文章は書けない自分」というコンプレックスにもつながっているのだけれど。言い換えれば、文章中のセンスを読み取る能力が備わっている、ということか。やっぱ下手な人は下手。商売も文章もデザインも。そこはセンスだね、環境と生まれつきがもたらしたものなんだろう。ちなみに私は自分に音楽と編集と商売のセンスは相当あると思いこんでいますが何か?
明日はマスコミ就職志望の学生さんたちと会うことになっている。なーんにもわかっていない、それでいて野心に燃えているような若い人たちに会えるのは、それはそれでとっても楽しみ。