年末進行と印刷技術

年末は印刷所が稼動しない。そのため、前倒しで仕事をする。いわゆる「年末進行」というやつ。先月、印刷所の営業担当者N氏が差し出してきた作業工程表には、恐ろしいぐらい前倒しのスケジュールが書かれていた。実質1ヶ月で2冊を製作している状態。
今うちの編集部は、印刷所さんのアドバイスShare Driveというシステムを利用して、レイアウトデザインのデータやらなんやらを、印刷所に入稿している。ところが、メンテナンスのためそのシステムがここ2、3日使えないという。
そこで、久々に従来のMO入稿で場をつなごうと思ったのだが、その作業が面倒くさくてしょうがないのだ。CDにデータを焼いたりだとか、MOを受け渡したりだとかという手間が、しんどいのである。クリックだけで、データ送信できるようになったんだものね。人は楽に慣れると、やすやすと元には戻れないようで…。

そういえば、先ごろは経費削減のため、バンドのイベントのフライヤーを自作した。今回はこの印刷所にお願いしたのだが、深夜データを入稿した翌々日に、刷り上ったフライヤーが、耳を揃えて届いた!大学生のころは、コピーしたチラシをシコシコとカッターで切っていたのに。ミラクル。あんまりにも安かったので、印刷しすぎた。

印刷周りの技術革新は進んでいるけれど、ではさて編集の現場の技術はどれだけ革新されているのか?職人の仕事だから、なんて言っていられない。だって、編集屋の仕事は、「知の開放」なんだから。読者に面白いものを低コストで正しく届けるためには、どんな手段だって、使うべきだ。編集を、職人の仕事なんて言っている人は、その時点でダウト、だと思う。