東京マラソンへの道 その2

スタート前、よくみればトイレに並ぶ人

参加してきました東京マラソン
当日は、かなりの雨、雨、雨…。目が覚めて天候を見て少々絶望的な気分に。
せっかくの大舞台じゃ!と、そこそこお気に入りのスポーツウェアを用意していたのにもかかわらず、雨・寒さ対策を優先して、フジロックで着たモンベルの真っ黄色のレインスーツを着ることに。さらに7時間でゴール予定の私は、ババシャツ、UNDER ARMOUR(冬用の高機能ランニング用アンダーウェア。本当はこれと、ウィンドブレーカーだけ着るつもりだった)、さらにフリースまで着込む。さらにダイソーで買った雨用ポンチョ。これは雨がやんだら捨てられるように。ちょっとやりすぎかなと思ったけど、途中気温が5度って表示が出てたし、風はそこそこあったし、寒そうに走っている方に比べたら、これくらい準備しても悪くはなかろう。
スタート地点は大混雑。さすが3万人の参加者。申し込み時に自己申告したゴール予定時間ごとに、ブロックにわけられて整列するんだけど、7時間ゴール予定の私は、一番最後の「K」ブロックに整列。スタートラインがかすんで見える…。さらにスタートの瞬間のアナウンスとか全然聞こえなくて、突如人の波が前にすすんで「おろろ?これがスタートかい?」みたいな、感じだった。ちなみにスタートラインにたどり着いたのはレース開始から15分後。そこからも結構のろのろと進んでいた。スタートラインでは、石原慎太郎がにこやかに微笑んでいたよ。

で、やっと私のフルマラソンが開始されるわけなんだけど、いや、ほんと、しんどかった。まずは膝が痛くなって、その後ふとももと腰が痛くなって、最後には足首が痛くなり、それを引きずりながら歩いた感じ。徐々に乳酸がたまっていたのかしら?
アメリカ出張の時に知り合った、マラソン好きな旅行代理店代表Oさんに「ちょっとずつ、歩いて、走ってを繰り返せば、必ず完走できるから」と教えてもらっていたので、それを忠実に実行する。無理せず、とにかく最後までたどりつけばいい、それだけが頭の中にあった。
しかし、10キロまでは走ったり、歩いたりをくりかえせたんだけれど、10キロ以降は、もうほとんど歩いてばかりで。練習不足は否めず。雨風も足をひっぱる。ときに向かい風で、前に進むのもしんどいときがあった。そういうときは、ここで体力消耗してもしかたないしなーと、あきらめて歩いていたが。
コースは本当に贅沢な順路で、これは参加者だけに許された醍醐味だろう。新宿都庁前をスタートして、歌舞伎町前の通りを通って、皇居、日比谷公園、東京タワー、雷門…と、東京名所を1日で堪能できる。いわば人力ハトバス状態。銀座の目抜き通りを、沿道に観客がたくさんいる状態で走れるときの(歩いてたけど)贅沢さといったら無い。「よし、品川までたどり着いた、次は銀座のあの景色まで、頑張ろう!」って目標をイメージできるのも心強かった。日比谷〜品川までの往復と、銀座〜浅草の往復は、いくら進んでも進んでもたどりつく感じがしなくて、本当に苦しかったけど、でも、その先で雷門が見えたときの感動といったら!

さて、7時間ランナーは、時間との戦いだ。走ろうが歩こうが、とにかく時間内にゴールすればいいのだが、コースには何箇所か「関門」があって、こいつが厄介だった。制限時間内に「関門」を通過しなければ、その時点でレース終了で、「収容」と書かれたバスに乗せられて、ゴールであるビッグサイトに強制連行されてしまうのだ。悲惨!もとより私は制限時間ギリギリでゴールしようと思っていたけれど、対向車線に「最後尾」と書かれたパトカーと、「収容」と書かれたハトバスが走っているのを見たときは、ぎゃーやばい、収容される!とちょっと早足になった。

沿道の声援と、ボランティアの人たちの声がけは本当に有難かった。給水所で、並んでるボランティアの人たちみんなとハイタッチしたり。楽器のようなものを使って、すっごい盛り上げてくれたり。ボランティアの皆さんと、沿道の方がいらっしゃって、東京マラソンってイベントが成立したんだな、と思った。
沿道からの声援にも、嬉しい声がけと、困る声がけがあって、「がんばれ!」まぁ、これはいいとする。「マイペースでね〜!」7時間ランナーには、これが一番ありがたい。マイペースにしか走れないから。で、困るのは、「早く!お姉ちゃん、若いんだから、走って!間に合わないよ!!」っていう感じの。や、一応こちらも時間ギリギリだっていうのは分かっているんだしさ、そんな急かさないでよ、頼むから…。と思わずいらついてしまう自分の未熟さをのろいつつ、一体何人の方に声をかけていただいたのか。ありがたや。
懸念されていたトイレ問題(人数に比してトイレが少ないのではないか)に関しては、7時間ランナーにはほとんど関係なかった。トイレはほとんどがらがらだったから。ただし、後半の給水所で配られたらしい、給食(パンとかバナナとか)は、全く足りず、私たちが通り過ぎるころには何もない状態だった。途中コンビニにかけこんで、ウィダーインゼリーを買って流し込んだ。それと、沿道の個人ボランティアさんがくれたかりんとうとか、アメとかに救われた感じ。
棒のようになった痛む足をずるずると引きずって、月島、豊洲、そして有明、と前に進み続ける。とにかく前に進むのだ。でも足痛え!でも進むのだ。止まるな!頭の中では昨日からWebで見てた筋肉少女帯の「イワンの馬鹿」が鳴り響き続けるし。いやはや。
それにしても、開発が進む有明の車道を歩くというのは、なんとも不思議な感じだった。いつもは車やら電車でびゅーっと走りすぎてしまう場所だけに、こんなところにこんなビルが!とか、こんな道路が!と、歩くから見えることが多くて。東京も変わり続けるんだなぁ。そんなたくさんビルたてんでもええやろになーと、ぼんやり思いながら、後半はゴールに向かい続けた。
で、なんとか、かんとか、6時間51分でゴール。完走メダルと、ヒートジャケット、バナナにお水が配られる。女子で完走した人には、お花も。これはちょっと嬉しい。
どろどろに疲れたけれども、やー、楽しかった。
足はボロボロだし、体中筋肉痛なのだけれど、やりきった感はめいいっぱい。
このイベントに誘ってくれたC編集長はじめとする会社の皆さんと、応援のメッセージをくださった皆様のおかげさまでございます。
ほぼ練習ゼロでもフルマラソン、完走できる、ようですよ、皆さん。

今回のことで痛感したけど、私、「練習を積み重ねる」のは無理!らしい。ランニング3ヶ月積み重ねて、本番に臨む…とか無理っぽい。むしろ、「本番=練習になること」の方が似合う人間であるということが分かった。例えば今回だったら、本番までに10キロレースに何回か出てみるとか。…と思いつつも、もうちょっと体鍛えて、今度は10キロを歩かずにゴールする、ってことあたりを目標にしてみようとも思っているわけ。

最後に私の記録をば…。

地点名 スプリット ラップ 通過時刻
5km 00:57:13 00:40:47 10:07:13
10km 01:45:59 00:48:46 10:55:59
15km 02:26:54 00:40:55 11:36:54
20Km 03:14:27 00:47:33 12:24:27
25Km 03:58:31 00:44:04 13:08:31
30Km 04:49:46 00:51:15 13:59:46
35km 05:40:19 00:50:33 14:50:19
40km 06:30:39 00:50:20 15:40:39
Finish 06:51:50 00:21:11 16:01:50

本当にギリギリ感が漂う記録でアレですが。