阿佐ヶ谷に暮らす醍醐味。


南阿佐ヶ谷駅から徒歩5分くらい。平屋のテラスハウスが立ち並ぶ阿佐ヶ谷住宅。ここに10月にオープンした「TOTAN」というギャラリーで、阿佐ヶ谷住宅をテーマにした写真展が開催されている。前々から阿佐ヶ谷住宅には興味があったので、この機会に足を運んでみることにした。

阿佐ヶ谷住宅について http://www.geocities.jp/asagaya_jyutaku/
TOTANのblog http://www.totan-gallery.com/
hanaさんのblog http://osampohana.blog46.fc2.com/

阿佐ヶ谷住宅は昭和33年に竣工された集合住宅だ。テラスハウスとマンション形式の2種類の住居がゆるゆると集まって、なんともいえない阿佐ヶ谷的な、懐かしいような、それでいて古びていない雰囲気をかもし出している。建物が低いから、空が広いし、それぞれの家に、小さいながらも庭がついている。壁の白、屋根の赤、庭の緑。東京の、それも杉並に、まだこんな場所があったなんて!ギャラリーは、2DKのこじんまりとしたテラスハウス。白い壁に濃い茶色の床板。中野のカフェ ウナ・カメラ・リベラを彷彿とさせるような、4畳半の和室と、同じぐらいの広さの板の間。収納は押入れ。庭にはウッドデッキと薔薇の花。ギャラリーとはいえ、2階には人が住んでいる状態で、1階だけ人々に解放しているという、オーナーの太っ腹ぶり。こういう場所で、こういうイベントをやることには、意義があるのだな、と強く感じた。じゃないと私は、阿佐ヶ谷住宅を外から見るだけで終わっていただろう。いや、立ち寄りもしていなかったかもしれない。部屋の中に立ち入って、部屋の大きさや素材の質感を肌で感じることは、かけがえのない経験になりうるはずなのに。こういう機会を与えてくれたオーナーさんの心意気に感謝。
それにしても、小さな部屋だ。荷物が多くなりすぎた今の私の暮らしには、こういうコンパクトな部屋は合わないかもしれない。だけど、持っているものみんな捨てちゃって、こういう場所でのんびり暮らすのもいいかもしれないなー。そんな生活を憧れのままで終わらせたくないな。とか思った。
ちなみに阿佐ヶ谷住宅は、再開発で来年取り壊される予定。興味のある方は一度足を運んでみてください。

その後は、ハロウィンの仮装大会に沸く、パール商店街を歩いて通り抜け、いそいそと旧中杉通りで行われている「ゆうやけ市」に。


「ゆうやけ市」は商店街ぐるみで、2〜3ヶ月に1度やっているイベントなのだけれども、フリーマーケットあり、バンドの演奏有り、ねぶたの踊りあり。パール商店街の華やかなイベントに比べると、とっても地味なのだけれども、ここ数年ずっと定期的に続いている、ささやかなお祭りだ。なによりいいのは、商店街のお店がお酒とおつまみをお安く提供してくれているところ。阿佐ヶ谷は外食・内食それぞれの店がとても充実している。これだけの激戦区で、長年お客さんの支持を集めて生き残っているお店が出してくれる商品だもの、まずいわけがない。やきとり屋で生ビールと豚もつ煮込みを買って450円。これを持って、ジャズバンドの前に腰を下ろせば、とっても安上がりな居酒屋になる。(しかも生演奏付き!アウトドア!)
これだけの人が集まって、気軽に展示会やイベントをすることができるのは、人口密度が高い東京ならではなんだろう。町は私に活力を与えてくれる。都会は猥雑だけれども、居心地は悪くない。