久しぶりに読み応えある本

網走監獄に行ってきて、「人生で4回も脱獄を試みた男」の話を聞いた。網走監獄を脱獄したときは、口に含んだ味噌汁を監視窓の鉄格子に何日も何日も吹き付けて、錆びさせて取り外し、肩の関節を外して狭い窓をくぐりぬけたんだそうだ。さらに、肩の関節を戻して天井に上り、鉄線の入った天井の窓を頭突きで壊して、監獄を脱出。監獄の天窓のそばに、天井を頭突きで壊して脱獄しようとするその囚人の蝋人形が展示されていて、とても強い印象に残ったわけ。
そいでもって網走監獄で買った本。

破獄 (新潮文庫)

破獄 (新潮文庫)

(画像無いんだ…まぬけな感じだ…)
太平洋戦争の迫る日本の様子と、脱獄を繰り返す殺人犯の生き様を淡々とした筆致で書いた小説。下手に登場人物の心情や情景描写を行っておらず、心地よく読める。それほど長い本ではないのに、かなり読み応えがあった。

ちなみに網走監獄では食堂にて監獄食というものを食すことができる。500円で麦ご飯と焼き魚(私はほっけを食べた)、野菜のおひたしなどをいただける。かなり美味で健康的。
ちなみにちなみに、この施設では花輪和一のマンガ「刑務所の中」の映画(主演は山崎努)も撮影されたらしく、私は花輪氏になったつもりで記念写真をとりまくっていたわけ。It's 刑務所エンターテインメント。