「つながり」という危ない快楽―格差のドアが閉じていく

ジャーナリスト速水由紀子さんの新作。格差社会を増長し、格差間の流動性をなくすのは「mixi」や「サッカー」「オタク」などに見られる連帯感に基づいているのではないか?ということを、鋭く指摘する本。
……と思ったら、途中で「下流社会」の三浦展氏に対する批判がちろちろ顔を見せる。どうやら三浦氏が「下流社会」で速水女史のことを「トラウマ系バツイチ連れジャーナリスト」と書いたことに相当腹を立てているご様子。そもそも「下流社会」が論拠無しに書かれた所詮マーケターの作品であることは、良識ある読者なら大方察しているわけだから、そう腹を立てないで欲しかった。「つながりという危ない快楽」の格が、それこそ落ちてしまうから。